駆け出し脚本家の映画レビュー

映画の分析とレビュー

【★5】ローマの休日【立場の異なる者同士の禁断の恋】

超有名映画、ローマの休日を今更ながら初めて観ました。
タイトルしか知らず、しかも白黒映画。
全く期待してなかったんですが・・・




めっちゃ面白い。



タイトルだけで、どうせのほほんとした映画だろと舐めてた自分をぶん殴りたい。


以下ネタバレ注意




ストーリーを簡単にまとめると、

①貴族の生活に飽き飽きした王女が家出し、新聞記者のブラッドレイに出会う。
②ブラッドレイは金のために王女に優しく接し、スクープ写真を撮る。
③でも王女を好きになってしまい、最後は写真を売るのをやめる決断をする。
という話です(ざっくりしすぎかも)。


これぞ元祖、立場の異なる者同士の禁断の恋か・・・と心が苦しくなりました。


初めは金のことしか考えていなかったのに、
追っ手からうまく逃げ切った後、思わず王女にキスするブラッドレイ。
好きになってしまったという感情の変化がひしひしと伝わってきます。

それでも、
「キッチンのある家に引っ越そうかな」というブラッドレイのセリフに対し、
好きだけど絶対に結ばれないとわかっているからこそ、
「そうね」としか言えない王女。

はあ・・・
その後泣きながら2人で抱き合うシーンが切なすぎる・・・




【立場の異なる者同士の禁断の恋】
【自分の知らない世界を案内してもらう】

これだけ書くとよくある話なのに、この映画を見るとこのよくある話は全部ローマの休日を参考にして作られてるんじゃないかと思えるくらいに面白いです。


自分が生まれる前にこんなにすごいものが作られていたなんて。

オードリー・ヘプバーンかわいい。結婚したい。



また見たい。




【思ったこと】
立場の異なる者同士の恋は、障壁が大きいからこそ、当人も観てる側も心動かされる。
ブラッドレイみたいに当初の心情がだんだんと変化していくと、ストーリー的に面白い。 

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【★4】麗しのサブリナ【弟いいやつやんけ】

1954年に公開された、オードリー・ヘプバーン(!)主演の映画です。
オードリー・ヘプバーン、すごい好きです。
表情豊かで、かわいい、美しい。なぜか宮崎あおいさん通ずるものがあるように感じます。



【ネタバレなしのあらすじ】 
主人公のサブリナはブサイク(冷静に考えて普通にかわいいけど、そういう設定)。
そして好きな男に見向きもされない。好きな男が別の女の子と遊んでるところを覗き見してると、二人が飲もうとしたお酒が顔にぶしゃあっとかかるくらいに見向きもされない。悲惨。
サブリナはしにたくなるけど、奮起してパリに行き、美人になって男を見返す。
でも・・・。


こんな話です。 最初は単調でしたが、見てるうちに面白くなっていく映画でした。とくに最後15分頃から物語がかなり展開していきます。適度に笑えてほっこりする、綺麗な話です。かなり古い映画ですが、観てよかったと思えます。



以下ネタバレありの分析。





















○面白いと感じた理由


①ストーリーが非常にわかりやすい。

男に見向きもされないサブリナ。綺麗になろうと決意する。
→男を見返したサブリナ。でもその男の兄を好きになり、葛藤する。
→兄もサブリナを好きになり、葛藤。恋敵だった弟に応援されて結ばれる。

一本の線でストーリーが繋がっているので、観ていてすごく理解しやすいです。
2年間もパリで過ごしたのに、見返そうと思った男の兄と数日一緒にいただけで好きになっていいんだろうかと葛藤するサブリナ。弟の代わりにサブリナと遊んでたけど好きになっちゃった…でもビジネスもあるし諦めよう…と葛藤する兄。どちらの気持ちも痛いほどわかります。どうやって2人は結ばれるんだろうか、『カサブランカ』(1942年製作の映画)のように兄は恋を諦めてしまうんだろうか、すごくもやもやする中で、最後は恋敵だったはずの男が強引に2人をくっつける。なんかアツい。葛藤に共感出来るというのがキーなのかもしれません。


②小ボケ

ワイングラスをポケットに入れたまま椅子に座ってお尻に大怪我を負う弟。それを忘れた頃に、オリーブを入れた瓶をポケットに入れたまま椅子に座ったお父ちゃんがお尻に大怪我を負うっていう、謎の伏線回収。今まで常人ぶってた堅苦しいお父ちゃんだからこそ、お尻怪我して笑いが増しました。そんな感じの小ボケが適度に入ってて、話全体を軽やかなものにしています。『ローマの休日』もそうですが、恋が成就してよかったあっていうだけの話にしないで、適度に笑えたり、泣けたり、喜怒哀楽いろんな感情を抱かせる作品は、個人的にすごく面白いと感じます。


③最後の最後がアツい

①にも書いたのですが、「え?サブリナ?あいつはおれのこと好きにきまってんじゃん」みたいなスタンスだったちゃらんぽらんの弟が、最後の最後にいいやつになって兄の恋を応援するっていう展開がすごくアツいです。しかもそれが最後15分っていう。作品全体が尻すぼみしてなくて、最後の最後まで映画として楽しめました。



まとめ的な

面白かったです。観てよかったです。オードリー・ヘプバーンかわいいし、うつくしいし。
ただ、強いて言うなら、前半がちょっと冗長で、この映画大丈夫かな…って若干不安になりました。それでも最後の最後の展開でその気持ちも払拭されて、みてよかったー!いい話やーー!と心から思えました。また見たいです。




 

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【★4】ウォール街

1987年に公開された、証券マンが主人公のお話です。


 
【ネタバレなしのあらすじ】
主人公バドは仕事がうまくいかず、お父さんにお金を借りてる証券マン。
そんな自分を変えるため、ゴードンというまるで悪代官みたいな奴のところへ交渉にいく。
でも軽くあしらわれちゃう。
いい顔をしたくなった主人公はインサイダーまがいの情報を提供して悪代官と仲良くなったが、そのままズブズブと違法行為の道へ…。




僕自身は”金融”というものにこれっぽっちも興味がない人間なため、映画を観始めて早々、「あれ、これ最後まで観れるかな…」という気持ちになったのですが、全然問題ありませんでした。
むしろストーリーもわかりやすく、楽しめました。おすすめです。


以下、ネタバレ有りの分析。



























この映画はものすごくストーリーがよくできてるなあというのが率直な感想でした。
簡単に整理すると、

さえない主人公がゴードンに師事する 
→全てがうまくいき、金も女も手にいれる
→ ゴードンに裏切られ、戦う

ものすごくわかりやすい流れです。



最近色々な映画を観ていて思うのですが、「何かに欠けている人」というのはすごく魅力的だなと感じます。この映画で言えば、主人公は元々は投資家の損益を被せられ、それをなんとかするために父親に借金するほどどうしようもないやつだったわけです。父に「証券マンは儲かるんだ!」みたいな大口を叩くも自分を認めてもらえない、いわばコンプレックスの塊。そんな主人公だからこそ奮起した時に応援したくなるんじゃないかと思います。人生に満足している人のことなんてまったく応援したくならないですよね。この映画で言えばゴードンですけど、何億も稼いでて、無礼で太った子供がいて、そんな人にはまったく共感できない。むしろ「コケてくれないかな」とすら思っちゃう。その期待に応えて、最後にちゃんとゴードンの罪も警察に伝えるという展開になったのも、すごくいいなと感じました。



あとこの話って絶対、主人公の人生が転落しないといけないストーリーだって観てる誰もが思うと思うんです。悪いやつの手先みたいなのになって金と女を手に入れたところで、そんな生活がうまくいくわけがありませんから。そんな中でやはりゴードンに裏切られ、自分の過ちに気付く主人公。そして喧嘩ばかりしていた父のためにゴードンと戦うという展開。…アツい。



それにエンディングも綺麗です。ゴードンを出し抜いてやったあと、結局インサイダーで主人公は逮捕されてしまいます。出し抜いてスッキリしたところで、罪は罪ですもんね。逮捕されるというのは人生で最悪な出来事の一つであると思いますが、そんな最悪な出来事なのにも関わらず、「過ちに気付けてよかったね」と観てる側には思えるところが、すごく良いです。「安易な金より実ある人生」という父の言葉が心にしみます。





そんなこんなですごく良くできたストーリーの映画です。面白い。
ゴードンのキャラもまさに悪代官で濃いし、主人公の気持ちや葛藤もよくわかる。
決してゲラゲラ笑うような映画ではないですが、もう一回観てみたいと心から思える映画です。

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【★5】ビッグ【終始爆笑&ほっこり】

1988年に製作された、トム・ハンクス主演のコメディ映画です。
古い映画じゃん、と思われるかもしれませんが、一回騙されてみたと思って観てみてください。本当におもしろいです! 
ストーリーも超シンプル、時間もちょうど100分程度、笑えてほっこりする、最高の映画でした。


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